いざという時に慌てないために「介護保険」の基礎知識を知っておこう
- 麻希 大井
- 2020年1月29日
- 読了時間: 8分
更新日:2月13日

親に介護が必要になったら、家族だけでなんとかしようなどと思わず、介護保険制度を使い、プロの手を借りることが重要です。
…といっても、初めてだと介護保険制度がどんなものか、どう活用したらいいのかわかりませんよね。
そこで、介護保険サービスが誕生した背景、利用を始めるための手順や、使えるサービスなどについて基礎的な情報をお伝えします。
<目次>
利用者やその家族が自分たちで選んで使える介護サービス
西暦2000年よりも前は、介護が必要になると、自治体がその人にふさわしい介護のサービスを選定していました(措置(そち)制度)。
それが2000年から、介護保険制度が施行され、ガラリと一変しました。
利用者自らがまず介護サービスを受けるかどうかを決め、サービスの種類や事業者も自分で決めます。
その介護サービスも単なる身の回りの世話、たとえば食事を作ってあげる、掃除をしてあげるというのではなく、高齢者が自立した生活を送れるように支援するサービスです。
利用者本位、つまり利用者の立場・視点に立って、医療や福祉のサービスを総合的に提供するというのが理念です。
利用者本位ですからすべて税金でまかなうのではなく、社会保険方式をとり、自らも介護保険料を支払います。
子ども世代は「ふーん」と他人事かもしれませんが、40歳を過ぎたら65歳までは医療保険の一部として介護保険料を支払い、以後も終身払い続けることになります。
意識していないかもしれませんが、40歳以上なら、もう介護保険料を支払っているのです。
介護保険を利用するときは、まず「要介護認定」の申請をする
65歳以上の年齢になって、いざ介護保険サービスを使いたい、使わないと生活が回らないとなれば、自分で、家族で、あるいは地域包括支援センターやもよりのケアマネージャーさんなどに手伝ってもらって、要介護認定を申請します。
その結果、介護が必要だと認定されたら、介護保険サービスを受けることができます。
なお40歳から65歳までの場合は条件があり、定められた16の特定疾病による要介護・要支援状態になった場合にのみ、使えることになります。
認定は以下の図のように、7段階に分かれています。
聞いたことがあると思いますが、「要介護1~5」「要支援1、2」です(数字が大きいほうが介護度が重い)。
介護保険サービスを使うにあたらないとされる「非該当(自立)」の認定を受けた場合は、介護保険サービスを使うことはできません。
ただし、地域ですべての高齢者のために行っている「地域支援事業」を利用することができます。
地域支援事業は今の段階ではまだ豊富に事業があるとはいえない地域も多いですが、非常に安価に高齢者向けの体操その他、健康に役立つ事業が展開されています。
回覧板などに掲載されている場合も多いので、確かめてみてください。役所の高齢者担当の部署でも把握しているでしょう。

介護の計画(ケアプラン)を作って、どんな介護保険サービスを利用するか決める
要介護・要支援認定を受けた人については、要支援の場合は地域包括支援センターが、要介護の場合は、近くの居宅介護支援事業所というところにいるケアマネージャーが、それぞれの人にふさわしい介護のプランを作ってくれます。
このプランは、ある程度の介護の知識があり、地域の事業所のことを知っていれば、自分や家族が作ることもできます。
しかし、自分でプランを作って、事業所も選ぶのは多くの場合、なかなか難しいでしょう。
やはり専門職であるケアマネージャーにお願いしたほうが早いかもしれません。
ケアマネージャーは地域にたくさんいます。できるだけ親御さん本人や、家族の意向を汲んでくれる人、信頼できる人を選びたいですね。
役所や地域包括支援センターにはケアプランをつくれる事業所の一覧が用意されていますし、近所の人の口コミなどもとても参考になります。
信頼できるご近所の方に聞いてみるのもいいでしょう。
実際にお願いしてみて、「どうもあのケアマネージャーさんと相性が……」と思ったら、途中で変更するのもかまわないのです。
多少の気遣いは必要ですが、なにしろ、「自分で選び取る」のが介護保険サービスです。あまり重く考えずに、お願いしてもよいでしょう。
介護保険利用時の自己負担金は1~3割。食事代などは実費
利用に際しては、無料ではありません。自己負担金が必要です。
多くの場合は1割負担で、たとえば訪問介護の利用だとすれば、1回数百円となります(サービスの時間、内容、要介護度によって変わる)。
ただ、ある程度の所得のある65歳以上の人は、2割負担、3割負担の場合もあります。
自治体の役所の高齢者関連の部署に尋ねてみるといいでしょう。
また、ひと月に利用できるサービスの時間数などが決まっています。
それを超えると、全額負担、つまり1割だとすると10割、10倍になるので注意が必要です。
また、昼食やおやつの時間をはさむデイサービスの利用や、グループホーム・有料老人ホームなどの入居施設は、食事代や一部のレクリエーション代が自己負担になります。
ケアプランを作る際に、ケアマネージャーと予算のこともよく話し、無理がないようにしたいですね。
契約の前に、まずは施設を見学して介護サービスを実感する
要介護認定が下りた、さあ使いたいと思っても、親が「そんなものは使わない、自分でなんでもできる!」と拒否する場合も少なくありません。
特に女性の場合は、家にだれかが入ってきて家事をするなんて、受け入れられない、訪問介護なんかいやだ、と思う方が多いようです。
また、男性などは「デイサービスで折り紙なんて絶対しない!」などと言う方も。
そういうところばかりではないのですが、拒否感が強いときは、無理矢理家族が決めてしまうようなことはやめましょう。
なにしろ、「自分で利用を決める」のが介護保険サービスの理念です。
そうはいっても、病気やケガで、日常生活を送るのが大変な場合、本人も不自由で困っているはずです。
けれど、新しいことを始めるのは不安があるし、他人の世話になるということにもなじめない…。
それより前に、そもそも介護保険サービスがどういうものなのかもはっきりとわかっていないことが多いと思います。
ご家族だって同じでしょう。
そこで、ケアプランを作ってくれるケアマネージャーや地域包括支援センターなどに介護保険のあらましを説明してもらいながら、デイサービスや入居施設などはご本人に合いそうなところを選んでもらい、一度親子で見学に行くとよいのではないでしょうか。
「遠く離れた場所に住んでいるから、親の住んでいる地域の介護施設を気軽に見学するのは難しい」、という方も多いと思います。
それなら、地域包括支援センターやケアマネージャーに電話などで相談しながら、施設の情報を入手し、見学の日程を決めた上で、見学の日だけ実家に戻る、というように効率的に動きましょう。
親御さんが住んで居る地域の施設の情報は、インターネットなどでも入手できます。電話やメールも使って話をすすめていけば、負担感もだいぶ少なくなるでしょう。
介護保険サービスについては、意外に細かい決まり事も多く、最初から全部把握するのは難しいのが実態です。
ですが、実際に見学したり、使ってみると実感がわく部分も多いので、親子で実際に見て、触れて、話し合って、少しずつ学びながら、納得感を持って利用していくといいですね。
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