
親に介護が必要になり、お金や手間をどうしよう、となったときに、意外に兄弟姉妹の間でモメることは多いです。
仲のいい兄弟姉妹だったはずが、介護を巡って争い、口もきかなくなるケースをよく聞きます。どうしたら防げるでしょうか。
<目次>
介護をたくさんやる人とまったくやらない人に分かれやすい
介護は、自分の都合だけではうまくいきません。
仕事や家事や育児の合間にやろうとしても、いつもどおりにはいかず、さまざまな調整が必要です。
その調整を「つけなくちゃ!」と思って一生懸命にやる人と、「仕事が忙しくて都合がつかない」とあっさりとあきらめてしまう人と、同じ兄弟姉妹でもいろいろです。
すると、使命感を感じてがんばる人にだけ負担がいき、「仕事が忙しい、育児で忙しい」と介護を手伝わない人は、どうしてもラクそうに見えてくるのです。
介護はどちらかというと、楽しくない体験が多いです。
子育ては子どもが成長していって少しずつ親の手が離れていきますが、高齢の方は体力も気力も弱っていき、病気もケガもなかなか治りません。
いくらがんばっても成果が出にくく、そしていつ介護が終わるのかも未知です。
長く続く自己犠牲の果てに疲労感がたまって、「なぜ弟は何もやらない! 冗談じゃない!」という怒りもこみ上げてきます。
でも、こんなふうにぎくしゃくするのは、できるだけ避けたいもの。
親にいざ介護が必要になったときに、すぐに力を合わせて対処できれば、親の健康も保ちやすく、自分たちも徒労感を持たずにすみそうです。
最初は近所のカフェで雑談風にお互いの近況を話し合うのがおすすめ
ただ、親がまだそれなりにお元気なのに、「親の介護について、役割を決めよう」と言っても、実感がわかずにうまくいきません。
最初はお互いの立場をよく知るために集まり、雑談のような形でそれぞれの近況を話し合ってはいかがでしょうか。
実家に集まり、話してもいいですが、親御さんにあまり聞かれたくない内容かもしれません。
それなら、実家の近くのカフェなどで話すのもよいかもしれません。
かつては親のもと、一つ屋根の下で暮らしていても、それぞれが自立して別の世帯に分かれていくと生活環境も考え方も変わります。
伴侶を持ったり、子どもを持ったりしていけばくなおさらです。
「あの浪費家の兄が家のローンを抱えてわずかな小遣いでがんばっている」
「ひとみしりだった妹が、バリバリ仕事をしていて日本中を出張で飛び回っている」
など、行動もかなり変わってきているでしょう。どんなふうに変わっていて、今どんな状況なのか、共有することが大切です。
自分の自由になる時間、なんとか出せそうなお金の金額。
どちらも捻出したくないのが本音でしょうが、どうしても、となったときのことを想像してお互いに具体的な数字を出してみましょう。
その数字は違っていても当然です。
ただ、「出せないからよろしく」ではなく、いざとなったら、なんらかの労力や費用は出していかねばならないと腹を据え、覚悟を決めるということです。
介護の話題からいくつ共感が生まれるかがポイントに
そして、腹を据えたら、今度は、「ところでうちの親はいくら持っているんだろう?」という話題を展開します。
お互いの情報を出し合っても、意外に親の生活の中身や金銭の状況はわからないもの。
ここで、「自分たち、親のこと、ぜんぜん把握していないね。もっと知っておかないと大変なことになる」と共感が生まれます。
そこで、 「では、親にやんわりと聞いてみようか」
「それは兄貴にお願い。私は母の健康状態を、かかりつけのお医者さんに一度聞いてみるわ」
と、自然に役割分担が生まれてくるかもしれません。役割は、共感から生まれます。
ですから、話し合うときに、お互いをなじり合わないようにしましょう。
「忙しいからまったくできないって、それじゃ話にならないじゃない!」とキレてしまったら、
「俺だって仕事が大変なんだよ!しょうがないだろ!」と言われたほうも居直り、
きちんと話しもできないまま、物別れになってしまいます。
それよりも、「忙しいよね、でも、仮にお母さんが入院したら、仕事帰りに1回、2回くらいはお見舞い行ける? たいてい病院は20時まで面会しているよね、5分でいいよ」と譲歩して、できそうなことを話してみましょう。
そして、“逃げ回り体質”の兄弟姉妹にも、いざというときに少しはやってもらえるよう、あらかじめシミュレーションしてもらうのもひとつの手です。
“仕切り屋さん”にならず、お互いに頼りにする関係に
兄弟姉妹の中でいつも仕切っている人が、なんでもやり過ぎるのは考え物です。
ほかの兄弟姉妹は「昔から仕切りたがりだもんね、やりたくてやってるんでしょ。自分はできないから」と白旗を揚げて戦線離脱してしまうからです。
「ここは●●くんのほうが上手だよね、私は母にやさしくするのが苦手だから。愚痴の聞き役はお願い」
「実家に近いのは私だから、主に様子見はするけれど、介護施設を決めるのとかは、私だけじゃ無理。情報収集力も決断力も兄さんのほうがずっと上だから、主になってやってくれない?」など、
得意なところをほめて、お願いしてやってもらう、という形を取りましょう。
いくつかシミュレーションができたら、とりあえず初回の話はおしまい。
「こんなふうに動くのが少しでも先延ばしできればいいよね」とまた共感し、話を終えればよいでしょう。
兄弟姉妹の話し合いの中で、いくつ共感できるか。それがポイントです。
親御さんの介護を考える年齢は、30代後半から60歳ぐらい。仕事も家事も育児もまだまだ大変な時期です。
その境遇を分かち合い、「だれにでも介護は回ってくる、しかたないよね」と、また共感できればベストです。
パートナーがいる人は、同席はしてもらわずに実の兄弟姉妹だけで話す
なお、話し合うときは、お互いの伴侶は同席せず、兄弟姉妹だけで話すのを基本にしましょう。
男性は特に、「自分は忙しいから妻にうちの親の介護をやってもらう」などと言い出しかねませんし、そのために奥さんを同席させようとする人もいます。
しかし、いまやそんな考えでは、パートナーに離婚されかねません。
自分の親は自分たちでみる、というのが基本。
他人任せにしないためにも、また違う立場のパートナーの意向が強くなりすぎないためにも、実の兄弟姉妹だけで話し合うことをおすすめします。
母親・父親の介護予防にプレゼントやメッセージを
親が長く元気に暮らせて健康寿命が延びると、家族が介護をする期間も減ります。
そのためには、楽しみや張り合いのある生活が重要です。
親にとって、子供や孫とのコミュニケーションは大きな楽しみ。
単調になりがちな日々の刺激にもなります。
誕生日や、母の日・父の日にプレゼントを贈ったり、日頃の感謝をまめに言葉にして伝えることは、介護予防の観点からもおすすめです。
Oyaimaでは、年配の方向けのプレゼントの選び方やおすすめ商品をご紹介しています。
親や祖父母を気遣うあなたのその気持ちを、ぜひ、ギフトという形で届けてみませんか。