
親御さんが年齢を重ねると、健康状態が心配ですよね。
特に離れて暮らしている子ども世代は、「急に倒れたらどうしよう」「いつの間にか認知症になっていたら大変だ」と心配がつのります。
離れていても、ちょっとした会話で、できるだけ健康状態を知り、大事に至らないよう努めたいものです。
<目次>
電話での世間話から健康状態を探る
親御さんがどんな健康状態か、きちんと把握している人は少ないと思います。
過去に入院や手術をし、子ども世代が付き添った、ということであれば、持病のことなどを把握しているかもしれませんが、親御さんも子どもたちを心配させまいと思って、あまり身体のことを言わない人が多いと思います。
ずっと会っていないなら、電話でちょっと聞いてみましょう。
突然改まって健康状態を聞かれると、
「介護や遺産のこと、勝手に何か計画しているのかしら?」と親御さんが不安になる可能性もあるので、あくまで世間話で探りましょう。
「最近、腰の調子はどう?」みたいに聞いてみましょう。
「それがね……」と心配ごとを打ち明けてくれればしっかり聞いて、必要なら受診するなり、相談してみてください。
「まあ、なんとかやっているわよ」と言われれば、
「じゃあ、いいか」と思ってしまいますよね? でも、逆に心配してください。
もし全く調子が悪くなければ、「最近は痛くないわ」と答えるはず。
「なんとかやっている」は、少し調子が悪いと思ったほうがよさそうです。
でも、詰問調にならず、
「重いモノを持ち上げるのは、年々つらくなるよね」
「私もこの間、ぎっくり腰みたいになっちゃった。おかあさんは急にグキッとなったりしない? 今日は朝からなんだか腰がだるい、みたいなことはない?」
などと、さりげなさを装って聞いてみてはどうでしょうか。
具体的に聞かれれば、「そうなの、重いモノを押し入れの天袋に入れるのはちょっと無理ね」「この間、ちょっと腰をひねっちゃって」と言いやすくなります。
「大丈夫?」と聞けば、人は「大丈夫」と答えてしまいます。
「どこか悪いところはない?」と聞かれても、今、とても痛いところがなければ、少し具合が悪くても、「特にないわ」と答えるものです。
できるだけ具体的にする、あるいは2つ、3つの中から選ぶような聞き方をすると、答えやすくなります。
健康診断を受けたかどうかチェック
会社員や公務員、その扶養家族なら、会社内や提携医療機関で毎年無料で健康診断が受けられることが多いので、習慣のように受けていたと思います。
しかし、定年退職すると国民健康保険に切り替わり、75歳を過ぎれば後期高齢者医療保険となります。
自治体から健康診断の案内が来て、安い料金で受けられるのですが、ずっと受けていた医療機関とは違いますし、自治体内の医療機関のリストを見て、自分で予約して受けなくてはなりません。
かかりつけ医のクリニックで受けられればいいのですが、対象外であったり、いくつかの診断項目が受けられなかったりすると、案内が来ても受けない人も多いと思います。
またいくら安く受けられるといっても、多くの場合は無料ではありません。
けれど、親御さんの年代はガンになりやすい世代。
若い頃よりも血液の流れも心臓の動きも代謝も悪くなりがちで、これまで正常値だった数値も、はみ出してくることが多いでしょう。
「3年前の検査では全部正常値」だったとしても、今年はどうなるかわかりません。
まずは、健康診断を受けてもらいましょう。
自治体からのお知らせは春を過ぎ、夏までには来ることが多いので、
「健康診断のお知らせ、来た?」と聞いてみましょう。
受けることをためらっているのなら、「そのお知らせをとっておいて」と頼み、夏などに帰省したときに見て相談し、よさそうなところを予約してあげましょう。
どんな検査項目にするかも、一緒に相談するといいでしょう。
一度検査を受けてみて、安心できる医療機関だということなら、そこで毎年健康診断を受けてもらい、結果を親子で見る、という習慣ができれば理想的です。
親の健康のチェックポイント11
健康の心配は人によって違いますが、高齢になったときにチェックしておくべき点はいくつかあります。
そして、それは年に1度の健康診断だけでなく、帰省したときの様子や電話でも、ある程度知ることができます。
主なチェックの内容を11点、以下に挙げてみました。
もちろんこれがすべてではありません。参考にし、親御さんのご自身の健康の状態をみながら、また健康状態の確認をしましょう。
<口頭・目視でのチェックポイント11>
1.もともと心配なところを確認
血圧が高い、血糖値が高い、尿酸値が高いなど、もともと健康診断の数値が高めだったり、実際に薬を飲んで居たりする人は、状態が悪化していないか、さりげなく聞きましょう。
「健康診断を受けて、ちゃんと数値をチェックしよう」とはっきり伝えます。
2.食べ物や飲み物の飲み込みの状態が変わっていないか
高齢になると身体の筋力だけでなく、のどの筋力も低下し、飲み込みが悪くなります。
食道に入るべき食べ物や飲み物が気管に入ってむせることが増えたら、誤嚥性肺炎にならないか、チェックしておきましょう。
帰省したときに一緒に食事をし、食べる様子を観察するとよいでしょう。
3.体重が急に減っていないか
1カ月に2㎏も減るようなら、注意が必要です。高齢者はむしろ小太りぐらいのほうがよいといわれます。
食欲が減退している、あるいは食欲があっても体重が減る。どちらも心配です。
体重が激減しているのなら、一度内科を受診しましょう。
デイサービスに通っている人なら、定期的に体重を量っているので、連絡ノートを見てみましょう。
4.歯(入れ歯、差し歯やブリッジ、インプラント含む)が痛くないか
かつて治療した歯や作った入れ歯も、歯茎がやせてくることでだんだん不具合が出てきます。
入れ歯が合わなくなって、入れ歯なしで食事をして、誤嚥することもありますし、食欲を失って虚弱になることもあります。
歯はきちんと治療し、何でもおいしく食べられるようにしたいですね。
「歯の状態はどう? 痛かったりしみたりしていない?」と聞いてみましょう。
5.歩行状態が変わっていないか
歩いているところを観察するのが一番ですが、「いつもの道を歩いて疲れたり歩きにくかったりすることはない?」と聞いてみましょう。
前と歩行が違うというのなら、膝や股関節などの不具合がある場合も考えられます。
「まっすぐ歩いているつもりなのに右に、または左に歩いてしまう」と言うのなら、脳梗塞の兆候も考えられるので、見過ごさずに受診をしましょう。
6.少し動くと心臓が苦しくなっていないか
「歩いたり階段を上ったりすると、前より息が切れる?」と聞いてみましょう。
心臓や肺の機能の低下が考えられるなら、受診をすすめるといいですね。
7.せきが長引いたり、息が苦しくなったりしていないか
若い頃はおさまっていても、年齢を重ね、免疫力が低下すると、ぜんそくがぶり返すこともあります。
「うちの母は昔はぜんそくの兆候なんかなかった」と思っていても、年齢が上がったことで症状が出やすくなっているのかもしれません。
せきが長びくといいことがないので、10日間くらい咳が出るなら必ず受診をすすめましょう。
8.便秘がひどくなっていたり、下痢と便秘を繰り返したりしていないか
腸に腫瘍ができていると、便秘気味になることもあります。もともと便秘気味、大腸ガンの検査をしたばかり、というのであれば様子を見ますが、「一度もしたことがない」「ここ5年以上していない」というのなら、検査をすすめましょう。
便を検体として提出する方法のほか、内視鏡による検査もあります。
9.陰部からの出血や下血はないか
女性は子宮の病気、男性は泌尿器の病気になりやすいのが親世代。
腸の疾患で下血をすることもあります。「痔だから平気」と言っていても、そうでないかもしれません。
内科を受診するときに、一言状態をドクターに伝えるように進言しましょう。
10.物忘れや認知症の兆候がないか
少し前の話を持ち出して、さりげなく覚えているかどうか確かめてみましょう。
季節や曜日を答えるような話題を振って、たしかめることもできますが、親御さんの世代もさまざまな健康情報を仕入れているので、「うちの子は、自分の認知症を疑っている」とわかって不愉快に思うことも。聞き方には十分注意しましょう。
日頃から認知症予防についてフランクに話せる関係であれば、「ものわすれや認知症のテストを受けてみない?」とストレートに聞いてもいいかもしれません。
なんとなく不安なのを言い出せずにいて、はっきり言ってもらった方が話しやすい、という場合もあります。
なお認知症の兆候があるとわかった場合、親御さん本人もご家族も不安に感じると思いますが、あまり動揺しないでください。
認知症は誰でもなりうる一般的な病気です。
そして一般的だからこそ、さまざまな事例・ノウハウがあり、あなたの周囲にも認知症のご本人や介護を経験してきた家族が大勢います。
症状を進行・悪化させない方法などを知るためにも、早めに状況を把握できるのがベターです。
11.気持ちが落ち込んでいないか
高齢になると、病気や金銭的な不安、親戚との人間関係、そして死への恐怖などがあり、気持ちが落ち込む人が多いようです。
電話の声がなんとなく元気がない、これまでやっていた家事ができていないようだ、と日常生活の様子が変わっているようなら、一度会いに行き、今の心境などを聞いてみるといいですね。
まだまだ心配なことはあるかもしれませんが、上の11点は心にとめておきましょう。
怖がりすぎる必要はありませんが、親御さんの病気を未然に防げれば、それに越したことはありませんね。
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