年齢的にも健康面でもそろそろ親のことが心配…となったら、今までより頻繁に実家に顔を出すようにしましょう。
特に実家から離れて暮らしているなら、少しでも親の生活を知っておいたほうが、あとあとあわてずにすみます。
とはいえ、このコロナ禍は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の出ているエリアだと、なかなか行けないのも実態です。
頻繁には行けない分、行ったときに気になることをまとめてチェックできるよう、以下を参考にしてみてください。
<目次>
高齢者を狙う悪徳業者にだまされていないか確認
東京で忙しく働き、3人の子どもの母親でもあるAさん(52歳)は、3年ぶりに実家を訪ねて、何かいやな予感がしたといいます。
家の様子が前と少し違う。かといって、大きな変化があるわけでもない。
「おかあさん、模様替えしたの?」と尋ねると、
「ううん、別に。でもちょっとリフォームしたのよ」と。
えっ!? と声を上げました。そういえば、一部屋だけ壁紙を変えた形跡がある。
でも、なんだか中途半端。
「どこにお願いしたの?」と聞くと、
「親切にしょっちゅう訪ねてきてくれたリフォーム屋さん。領収書は引き出しにあるわよ」と。
あけてみると、3つの領収書があり、いずれも100万円以上の金額です。
でも400万円近くのリフォームとは思えないような、申し訳程度のリフォームなのです。
こんな高齢者を狙う業者がたくさんあります。
ひとりで暮らしていると誰とも話すことがなく1日が過ぎていくので、訪問販売やこうした業者が来ると、つい話し込んでしまうこともあり、だまされやすいのです。
こうした被害を未然に防ぐためにも、親の実家には度々顔を出したほうがいいですね。
訪ねるときは、特別なことをしなくてもいいのです。
きっと、これまでより頻繁に来てくれるだけでも、親はうれしいでしょう。
でかけて不在にしているといけないので、前もって連絡した上で、気軽に訪ねましょう。
そして、短時間で帰ってもよいのです。親の様子を見届けるためなので、まあまあ大丈夫そうだ、と思えば、今回の任務終了、です。
ただ、「遊びに来たよ」という気軽さを装いながら、さりげなくチェックするポイントだけは押さえましょう。
できれば手土産を持って行こう
訪ねるときは、ちょっとしたお土産や、何かの用事があるといいですね。
「心配で様子をチェックしに来たな」と思うと、信用されていないように感じいやな気分になる方もいるかもしれません。
でも、「お母さんが好きな●●屋の和菓子を思い出したら、つい一緒に食べたくなって」「用事で近くに来たから」というような言い方をすれば、気持ちがほぐれると思います。
お茶とおいしいお菓子を前に、近況を聞き、生活に支障がないか、和やかな話の中で聞き出します。
部屋を見回して「ちょっと変」な空気がないかを感じる
まず、Aさんのように、「なんとなく家の様子が違う」感じを察知しましょう。
家具の配置が違う、今までなかったような段ボール箱などが積んである、などということがあれば、大きな買い物をしたかもしれません。
訪問販売で買った様子の布団などが押し入れに入っていないかも、そっと押し入れを開けてたしかめましょう。
「いつも頼んでいる水道屋さんって、どこだっけ? 連絡先教えて。パンフレットとかあるかな?」
などと言いながら、アドレス帳や引き出しの中もチェック。
これまで記載のなかったような業者の電話番号がメモしてある、名刺がはさんである、引き出しにどこで払ったかわからないような領収書が入っているなどがあれば、「これって何?」と平静を装って聞いてみるのもよいと思います。
近所の方などに挨拶をして変わったことがないか聞いてみる
高齢の親がひとりだけや、夫婦だけで暮らしているなら、ご近所に挨拶に行くのはマストと考えましょう。
親が仲良くしている方、自治会の会長さん、民生委員など、頼りになる人には、連絡先を渡すなどして挨拶をしておくとよいですね。
特に、ぜひ民生委員さんには一声かけて、なにかと気にしてもらってください。
そして、何か変化があったら、自分のところに連絡してもらうようお願いしておきましょう。
高齢者のひとり暮らしや、老老介護の状態の二人暮らしの世帯に対しては、民生委員さんや地域の自治会などが気づいていれば何かと気にして観察してくれます。
しかし、何か危険があると察知しても、家族の連絡先を知らないと、報告のしようがありません。
電話番号やメールアドレスなどを伝え、気になることがあれば状況を伝えてもらうよう、お願いしましょう。
要介護認定を受けている場合は、担当ケアマネージャーに挨拶をし、今後の方針をすりあわせましょう。
ケアマネージャーは月に1度は親御さんと面談し、介護についても話し合っています。
そのため、親御さんご自身以上に、心身の状態の変化、今後必要になるであろうことなどをよくわかっている場合が多いです。
親御さんの介護についての希望や受けたいサービスも面談で把握しているはず。
親御さんにふさわしい介護をケアマネージャーさんと話してみてはいかがでしょうか?
可能なら、親御さんと一緒にケアマネージャーと面談してもいいですね。
家の中が乱雑だったら一緒に片付ける
若い頃はきれい好きだったとしても、高いところやすみずみに手が届かず、身体も以前頼動きにくくなっているため、家の中が乱雑になっていることは多いでしょう。
親御さんに「どこか掃除とか片付けをしてほしいところはある?」と聞き、「ここをやってほしい」といわれたら、ぜひやってあげましょう。
換気扇やエアコンの掃除、お風呂の大掃除は、介護保険サービスではなかなかやってもらえません。
高齢で足腰が弱った状態で脚立に乗るのはとても危険なので、元気な子ども世代がかわりにやってあげるべきです。
捨てられないものが多くて乱雑になっているのなら、一緒に片付けながら、捨てましょう。ただしこのとき、勝手に捨てるのは御法度です。
他人から見れば捨てるべきものでも、本人には大事な宝物という場合もあるのです。
だれかにもらった思い出の品であれば、なかなか捨てられないでしょう。
でも、「どうしようかな……」と悩んでいるようなら、「写真に撮って残しておくのはどう?」と提案し、「それ、いいアイデアね」となれば、目の前で写真を撮り、確認してから、ものを捨てるようにします。
この方法だと、処分することに躊躇がないとケースも多いでしょう。
片付けすぎないことも肝心! かえって事故のもと
親御さんの家をきれいにしたくて、どんどん捨ててしまうのはよくありません。
乱雑に見えてもそれなりに確保されている動線があり、それを毎日の生活に生かしてきていたはずです。
いきなり片付けすぎると、その動線が乱れてしまい、暮らしにくくなります。
こたつにすわって、手の届くところに、必要なものを置いておくのが習慣だったかもしれません。
キッチンの上棚の調理道具に手が届かず、コンロまわりにたくさん集めてあるのかもしれません。
「理由のある乱雑さ」はそのまま受け止め、本人が「片付けてもいいかな」と思うような部分を片付けるようにします。
何度も行っていれば、だんだん親御さんの価値観もわかってきます。
その価値観に沿って、家の中の整理をつけたいですね。
見回してみると、ちょっと関与したほうがよさそうだ、ということも見つかるでしょう。
介護が気になったら活用したい便利なサービス
「介護」が身近にせまってきたとしても、多くの高齢の方は
「今までの暮らしを変えたくない。家族に迷惑をかけず自分も気を使わず、なるべく自宅で生活したい」と考えています。
できるだけ長く親の思いを叶えられるよう、高齢者を支える便利なサービスを活用してみてください。
そして同時に、介護が必要になった時の準備のために、少しづつ情報収集をはじめてみましょう。
<老人ホーム情報>
もし介護が必要になったらどこで暮らす?
同居か介護施設か……誰もが悩むポイントです。
ですが、選択肢の一つとなる「老人ホームや介護施設」について、どんな場所なのか、いくらかかるのかなど、詳しく知っている方は少ないでしょう。
時間や気持ちの余裕があるうちに、地域にどんな施設があるのかや費用の相場観をつかんでおくと、いざ判断が必要になった時、あせらずに賢い選択ができます。
今の暮らしをいつまで続けられるか冷静に判断するためにも、老人ホーム検索サイトなどで早めに情報収集をしておくといいですね。
みんなの介護 (株式会社クーリエ)
初めて介護施設を検討する方におすすめ 老人ホーム検索サイト
テレビCMでおなじみ、日本全国の老人ホームを掲載している検索サイト。
2024年5月時点で掲載施設数は58,000件と業界No.1。
2011年以来15年近くの運営実績があり、200万件以上の入居相談を行っています。
サイト上では、もちろん費用は一切発生せず、希望に合った施設を探すことができます。
「老人ホームの費用」や「地域ごとの金額相場」、「ホームの選び方」など役立つコンテンツが豊富。
サイトで情報を収集するだけでなく、情報を1冊にまとめた「老人ホームの選び方入門ガイド」が無料でもらえます。
メールか郵送か、好きな方法で送ってもらえるので、ご家族に見せて説明するときも便利ですね。
各老人ホームの紹介では「360度 VR施設見学」があり、施設内を歩いて見学しているように設備や雰囲気を動画で確認。
実際に施設を見学した方の★評価や、クチコミも参考になるはず。
初めて介護施設を検討しよう、という方におすすめのわかりやすいサイトです。
<見守りサービス>
見守りサービスは、離れた場所から様子を見守り、何かあればすぐに対処できるようにするサービス。
長時間動きがない場合に異常として検知しメールで通知したり、カメラを設置してリアルタイムで映像を写したり。
実際に人が駆け付けてくれるサービスもあります。
また、スマートフォンも便利な見守りツールの一つです。
セコム・ホームセキュリティ 親の見守りプラン (セコム株式会社)
24時間365日 安心の見守り体制
ホームセキュリティと聞くと、泥棒などの防犯イメージが強いかもしれません。
セコムの場合、高齢家族にうれしい「親の見守りプラン」があります。
人の動きを感知し、スマホの見守りアプリに活動状況をお知らせ。離れて暮らしていても、今在宅か外出中か、いつ起きて寝ているかなど、生活リズムや活動量がだいたいわかります。
部屋の温度や湿度のチェックも可能。
カメラを設置するのではなく、だいたいの動きを確認するというゆるやかな見守り。親の方も、監視されるような抵抗感は少ないはず。
トイレなど必ず通る場所にセンサーを設置すれば、一定時間動きがないときに異常信号を送信。
急病で倒れ、起き上がれないようなときも素早く気づけます。
火の消し忘れも火災感知機能で異常信号を送信。必要に応じ119番通報もしてくれます。
「異常はないけどなんだか気になる、でも直接様子を見に行けない…」そんな時は、セコムに代わりに訪問して確認してもらうことも可能です。
<親の見守りプラン 利用料>
・機器レンタルの場合 月額5,060円(消費税込)
・機器買取の場合 月額3,410円(消費税込)
*レンタルは、別途初期費用として工事料や保証金が発生。機器買取の場合は初期費用として買取システム料金が発生(工事費用込)。どちらも設置する機器の個数・建物構造・設置状況などによって料金は異なります。
*料金は2024年7月12日時点
中古スマホ・タブレット (伊藤忠グループ 株式会社Belong にこすま)
万能ツールのスマホをお手頃に入手できる 伊藤忠グループの中古スマホ専門店
いつでも通話やメールができるスマートフォン。
家族間のコミュニケーションはもちろんですが、GPSアプリを入れておけば、万が一何かあった時にも居場所が確認ができ、便利な見守りツールでもあります。
中古スマホは「安いけれどリスクがある」というイメージがあるかもしれません。
そんな不安を払拭する「にこスマ」。伊藤忠グループ運営の、今、メディアでも話題の中古スマホ専門店です。
SIMロックなしの厳格な検査に合格した端末のみを販売。
端末一つ一つを360度から撮影しWEB上に掲載しているので、購入前に傷の有無も詳細に確認し、ネットでそのまま購入できます。
<料金>
・写真のiPhoneX (64GB) 25,800円 (消費税込・送料込)
*iphoneシリーズは6sから15Pro Maxまで在庫有り。料金は8,500円~213,800円
*料金は2024年9月9日時点
<毎日の食事を支援するサービス>
食生活は、健康寿命に直結します。食事を抜いたり、バランスが著しく偏っているなら要注意。
高齢になると、高血圧や糖尿病、腎臓病などの持病を抱え、薬を服用する方も増えます。
バランスのよい食事は若い頃以上に重要となりますが、塩分やカロリーを計算しての調理や食事は大変。
そんな時におすすめなのは、持病の内容に対応したお弁当の宅配。
面倒な計算や調整を意識しなくとも、健康的にしっかり食事がとれます。
健康うちごはん (メディカルフードサービス株式会社)
ヘルシー弁当、高血圧・糖尿病の方向けなど、充実ラインナップの宅配弁当
医療介護食専門メーカーが作るヘルシーな宅配食。
管理栄養士が栄養計算し、自社工場で生産。
冷凍庫で保存できるので、食べたいときにレンジで温めればOK。手軽で助かります。
バランスのとれた健康弁当のほかに、糖尿病・腎臓病・心臓病や、高血圧・肥満など、体の状態にあわせたコースが多数用意されています。
<料金例>
・バランス健康食お試しセット(6食セット)
6食で4,881円(消費税込)
*料金は2024年6月10日時点
母親・父親の介護予防にプレゼントやメッセージを
親が長く元気に暮らせて健康寿命が延びると、家族が介護をする期間も減ります。
そのためには、楽しみや張り合いのある生活が重要です。
親にとって、子供や孫とのコミュニケーションは大きな楽しみ。
単調になりがちな日々の刺激にもなります。
誕生日や、母の日・父の日にプレゼントを贈ったり、日頃の感謝をまめに言葉にして伝えることは、介護予防の観点からもおすすめです。
Oyaimaでは、年配の方向けのプレゼントの選び方やおすすめ商品をご紹介しています。
親や祖父母を気遣うあなたのその気持ちを、ぜひ、ギフトという形で届けてみませんか。